大豆をまるごと使ったヨーグルトの

 今年は冬が早くやってきました。例年、最高気温が15度を下回るのは11月中旬でしたが、今年は10月8日に15度以下を記録し1ヵ月近くも早まりました。冬のように寒い日がある一方、10月中旬には暖かさが戻り、気温差は10度以上になりました。

「ヒトは自律神経によって、呼吸、脈拍、体温調節、消化機能の調整が行われています。気候の変化が大きいと自律神経が乱れ、体の調整機能が追い付かず、さまざまな不調が現れてきます。その一つが便秘などのお腹の不調です。お腹の不調は、食生活によって改善することがわかっています」(管理栄養士)

 2020年8月に実施した、調査によると、「大豆ヨーグルトを毎日食べると便通が改善した」という結果が出ました。

大豆ヨーグルトは、おからを取り除いてしまう豆乳ヨーグルトとは異なり、大豆をまるごと発酵させたヨーグルトです(※うす皮は取り除いています)。そのため、大豆がもつ栄養素がそのまま含まれます。「大豆にはルミナコイドが豊富に含まれます。ルミナコイドとは、オリゴ糖や食物繊維、レジスタントプロテインなど難消化成分です。ルミナコイドは腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌の数を増やします。それによって腸内細菌のバランスが整い、便通の改善に影響すると考えています」(管理栄養士)

 「柿が赤くなると、医者が青くなる」ということわざがあるように、柿には昔から知られている健康効果があります。甘柿はビタミンCが温州みかんの約2倍、食物繊維も豊富に含まれビタミンAも含んでいます。干し柿はさらに食物繊維が含まれます。 「大豆ヨーグルトと干し柿はテイストもよく合い、栄養価的にもパワーアップします。干し柿をプラスすることで、食物繊維がさらに増えて善玉菌のエサとなり腸内環境を整えます。干し柿を大豆ヨーグルトに一晩漬けて食べれば、より美味しく効果的に召し上がれるのではないでしょうか。ビタミンCは生の柿の方が多く含まれますが、腸内環境を整える目的なら干し柿がオススメです」(管理栄養士)

 

朝こそ食べたい栄養豊富なキウイ。「キウイにソラレンが含まれる」は完全な間違い!

光毒性物質とは、食べたり、肌に塗った後に日光に当たると、肌にダメージを与える物質のことです。光毒性物質が入ったフルーツは朝食べないようがいいと、WEB、テレビ、雑誌など一部のメディアで紹介され、そのフルーツの中にキウイが含まれていました。しかし、都内の大学の研究により、キウイフルーツには光毒性物質が入っていないことが明らかになりました。

「2011年に発売された雑誌の記事をきっかけに、テレビ、雑誌、ネットで広がり、間違った情報が拡散されました。その中には、クリニックや管理栄養士、学会などのサイトや刊行物があり、一般的に信頼されている専門職の多くが “キウイにソラレンが含まれる”と発信しているのです。さらに驚いたことは、その本人に聞いてもエビデンスがわからない、という答えしか返ってこないという異常な事態が起こっています」(大学教授 理学博士)

「キウイのビタミンC含量は卓越しており、ビタミンEや食物繊維なども豊富で、不足しがちな栄養素をバランスよく含んでいます。朝の忙しい時でも、手軽に食べられるので助かります。また、生でそのまま食べますので、栄養素の損失が極めて少ないというメリットもあげられます。間違った情報によって、朝のキウイを控えている方がいたとしたら、本当に大きな損失といえます。ぜひ正しい情報を広めて、朝から何の心配もなくキウイを食べる権利を取り戻していただきたいと思います」(大学教授 理学博士)

注目が集まる第二の発酵性大豆食品!日本人の新しいヘルシーフード食物繊維が摂れる豆乳ヨーグルトではない新しい「大豆ヨーグルト」とは

「大豆」は古くから日本人の生活に馴染んだ食材の1つ。豆腐、納豆、味噌、醤油、おからなど、日本人が好む大豆食品はヘルシーフードばかりであり、科学的にもその健康効果が実証されています。

1日50gの発酵性大豆食品を摂る

国立がん研究センターの研究チームは、納豆、味噌、醤油といった発酵性大豆食品を日常的に50g以上摂る人は死亡リスクが低い、という研究結果を発表しています。男女約9万人(45~74歳)へのアンケート調査と、約15年間の追跡調査を行いました。調査の結果、発酵性大豆食品を1日に男性で50.2g以上、女性で46.6g以上食べるグループは、その他のグループに比べて死亡リスクが男女共に約1割低いことがわかりました。

健康のために1日50gの発酵性大豆食品を摂ることが望ましいのですが、現実の食生活では難しい一面も。その解決策を管理栄養士に伺いました。

「量を多く食べられる大豆食品の新しい選択肢」

「これまで量を多く食べられる大豆食品といったら納豆しか選択肢がありませんでした。しかし、今春に大豆ヨーグルトが発売され、手軽に摂れる選択肢が増えたのです。納豆と同様に、パックを開ければそのまま食べられます」

大豆ヨーグルトと豆乳ヨーグルトの違い

これまで発売されていた「豆乳ヨーグルト」はタンパク質や食物繊維が多く含まれるおからが取り除かれていました。しかし大豆ヨーグルトはより栄養面が優れ、納豆に近い存在であるといえます。

「大豆ヨーグルトは、第二の発酵性大豆食品として注目をされています。薄皮を除く大豆をまるごと使っているため、そのバランスの良い栄養価も評価ポイントです。また、大豆ヨーグルトは乳製品のヨーグルトと違い、コレステロールがゼロでありつつ、食物繊維を含むことが特長です。さらに、葉酸を含むことも乳製品のヨーグルトとは異なる点。葉酸は近年、必要なビタミンであるにもかかわらず摂取量が少ないことが問題となっています。

大豆ヨーグルトは、日本人の食事の多すぎるものを減らし、足りないものを補う食品です。日常の食事に加えることは、健康のための理想的な食事に一歩近づくことだと思います」(管理栄養士)

豆腐の風味を残した大豆ヨーグルトは、アレンジも多彩。特に牛乳から作るヨーグルトに比べて、和の食材によく合います。きな粉や黒みつなどを加えて和のスイーツにも、また醤油やおろししょうがなどの調味料や薬味との組み合わせもおすすめです。

「高齢になると、噛む力や飲み込む力が衰えてきます。肉、魚が食べにくい場合は、豆腐だけではなく大豆ヨーグルトをおかずの1品として加えるのもよいでしょう。おかずの1品としても、スイーツとしても、大豆ヨーグルトは活躍できます」(管理栄養士)