「大豆」は古くから日本人の生活に馴染んだ食材の1つ。豆腐、納豆、味噌、醤油、おからなど、日本人が好む大豆食品はヘルシーフードばかりであり、科学的にもその健康効果が実証されています。
1日50gの発酵性大豆食品を摂る
国立がん研究センターの研究チームは、納豆、味噌、醤油といった発酵性大豆食品を日常的に50g以上摂る人は死亡リスクが低い、という研究結果を発表しています。男女約9万人(45~74歳)へのアンケート調査と、約15年間の追跡調査を行いました。調査の結果、発酵性大豆食品を1日に男性で50.2g以上、女性で46.6g以上食べるグループは、その他のグループに比べて死亡リスクが男女共に約1割低いことがわかりました。
健康のために1日50gの発酵性大豆食品を摂ることが望ましいのですが、現実の食生活では難しい一面も。その解決策を管理栄養士に伺いました。
「量を多く食べられる大豆食品の新しい選択肢」
「これまで量を多く食べられる大豆食品といったら納豆しか選択肢がありませんでした。しかし、今春に大豆ヨーグルトが発売され、手軽に摂れる選択肢が増えたのです。納豆と同様に、パックを開ければそのまま食べられます」
大豆ヨーグルトと豆乳ヨーグルトの違い
これまで発売されていた「豆乳ヨーグルト」はタンパク質や食物繊維が多く含まれるおからが取り除かれていました。しかし大豆ヨーグルトはより栄養面が優れ、納豆に近い存在であるといえます。
「大豆ヨーグルトは、第二の発酵性大豆食品として注目をされています。薄皮を除く大豆をまるごと使っているため、そのバランスの良い栄養価も評価ポイントです。また、大豆ヨーグルトは乳製品のヨーグルトと違い、コレステロールがゼロでありつつ、食物繊維を含むことが特長です。さらに、葉酸を含むことも乳製品のヨーグルトとは異なる点。葉酸は近年、必要なビタミンであるにもかかわらず摂取量が少ないことが問題となっています。
大豆ヨーグルトは、日本人の食事の多すぎるものを減らし、足りないものを補う食品です。日常の食事に加えることは、健康のための理想的な食事に一歩近づくことだと思います」(管理栄養士)
豆腐の風味を残した大豆ヨーグルトは、アレンジも多彩。特に牛乳から作るヨーグルトに比べて、和の食材によく合います。きな粉や黒みつなどを加えて和のスイーツにも、また醤油やおろししょうがなどの調味料や薬味との組み合わせもおすすめです。
「高齢になると、噛む力や飲み込む力が衰えてきます。肉、魚が食べにくい場合は、豆腐だけではなく大豆ヨーグルトをおかずの1品として加えるのもよいでしょう。おかずの1品としても、スイーツとしても、大豆ヨーグルトは活躍できます」(管理栄養士)