コロナ太り対策の運動で、ひざ痛増加中。トラブルのサインは“ひざの音”

都内在住の40代男性は、新型コロナウイルスで外出自粛中の運動不足解消のために、中学生の息子とランニングを始めることにしました。それまでほとんど運動習慣がなかったため、まずはゆっくり走り始めたにも関わらず、1キロを過ぎたところで膝の痛みを感じたと言います。

「怪我をしないように準備運動をしっかりして走りました。しかし、調子よく走っていたら突然左の膝が痛みはじめたのです。その場で屈伸を何度もしたのですが、走り出すと痛みを感じたため、仕方なく歩くことにしました」と振り返ります。

「ゴールデンウィーク明けから、膝の痛みを訴える患者さんが増えました」と語るのは、全国から様々な膝の痛みを抱える患者さんを受け入れている整形外科専門医。特に巣ごもり生活明けから、急な運動で膝のトラブルを起こす人が後を絶えないそうです。

膝に違和感を覚えたことがある男女400人を対象に行った調査によると、「痛みはなくても膝に音や違和感を感じたことがある」と回答した割合は40代男性が最も多く、なんと40代男性の9割以上が一度は膝のトラブルを感じたことがあるという結果になりました。その調査では、若い時に感じなかった膝の音や違和感について「ポキポキ」と表現する方が多く、冒頭の40代男性も、「運動を始める前から膝を曲げる時、ポキポキと膝の音がしていた」と語ります。

膝ケアを始めるタイミングの重要性について、専門医は以下のように指摘しています。「最初にひざ音を感じた時がケアを始めるタイミングです。一度でもひざ音を感じたことがある方は、その後、ひざ音がしなくなったらむしろ要注意です。 また、膝の痛みが慢性化している人の多くは、40~50代の頃から膝の音やこわばりなどの違和感を覚えていた方が多いようです。10年後、20年後に膝の痛みで暮らしに支障が出ないよう、他の内臓の疾患と同様に膝も早期治療が肝要です」